PLANT

ロウヤガキを創る

 

【鉢づくり】
選抜した個体を鉢づくりするには、
1.そのまま鉢に取る方法による場合
2.さし木による繁殖による場合
3.取り木による繁殖による場合
4.根伏せによる繁殖による場合
があります。

具体的には

 

【1.そのまま鉢に取る方法】
 1のそのまま鉢にとる方法は、実を見るためだけに伸ばした枝なので、樹形が整っておりません。自分の好みの長さまで切り詰め(地下部とのバランスを整えます)、一般的には強く切り詰めた場合、早くて3年遅くも4年で結実を見ます。しかし早く結実させるには春芽の伸長が一段落し、枝が固まったの頃を見計らって枝を少しねじりながら横向きに誘引すると結実は早まります。勿論、時が経過するほど自然の嫌味のない樹形になっていきます。どのような樹形にするかはその方の考え方によりますが、あまりに針金で捻じ曲げすぎると人の嫌味を誘いますので、ほどほどが良いと思います。私は自然に近いハサミ作りと言われる方法が好きなので余り針金は好みません。しかし早期に樹形を整えるのは非常に有効な方法ではあります。盆栽的に樹形を整えたい方は、“名倉龍男著”「ろうやがきの盆栽」を参照されると良いでしょう。ハサミ作り剪定は針金を殆ど使わず枝の先端を残す芽の方法によって定め、樹形をかたち造っていきます。全体に自然の樹形をよく観察し枝を整えるものです。
 ※枝を切る際、上の芽で切れば樹勢は強くなり、横芽で切れば落ち着いて結実しやすくなります。また枝の左右は伸ばしたい方の芽を残して切ると枝はそのように伸びていきます。また、樹勢が極端に強く、抑えたい場合は下向きの枝先で切ると落ち着いてきます。それらを数年繰り返していくと自然に落ち着いた樹となってまいります。2.さし木による方法ではさし穂の充実度、その後の管理等により異なりますが、開花・結実まで4~5年覚悟しなければなりません。

 

【2.さし木による方法】
 さし芽時期は春芽が伸長し、その枝が充実すればいつでも可能ですが、7~8月は気温の上昇が厳しいため、立秋を過ぎる頃、密閉挿しする方法が安心です。最初にさし木する穂の調整を行ないます。春先に伸びた枝が伸長を停止し、充実した頃を見計らって新芽を5~6cmに切って下部の3分の1は摘葉し、30分程水揚げさせたあと発根促進剤のルートン等を枝の根元付近1cm位塗布します。次にさす場所・又は容器ですが4番目に掲げる根伏せに使用する発泡スチロールの箱が便利です。大きさは任意で結構ですが、余り小さいと温湿度の変化が大きく適しませんので、私は長さ45cm程度の物を利用しています。良く水洗いした箱に、穴(5cm×5cm位)を5~6個程度開けたものを利用しています。(その他後掲4を参照)さし芽が少なければ30cm程度の平鉢でも結構です。また多ければ直接地面にさし芽用土を板などで囲いそこに用土を入れ直接さし芽しても結構です。箱に挿す場合は9分目迄土を入れ、水を十分に掛けます。これ等の準備ができ次第、さし木しますが、さし穂の先端部が痛まない様、細い棒でガイド用穴をあけその後調整した挿し穂を埋め込みます。そして周囲を軽く指で転圧し、軽く散水します。その後、置き場所に移動します。出来れば木漏れ日の漏れるような所が最適で、直射光線があたるような場所は寒冷紗等の斜光する工夫が必要です。最後に乾燥を防ぐため市販のビニールで覆います。
 ※場所は日当たりの良すぎる所だと中が蒸れて枯死してしまいますので木漏れ日の漏れる程度の最適です。しかし、全く光が届かなくても枯れてしまいますのでご留意ください。活着した後の管理はその後1年間はそのままにし、活着を完全の物にします。
 2年目に漸く鉢揚げします。伸び過ぎて走っている根は切り詰め、全体を円錐上の中心に幹がくるような根の長さに調整します。枝は樹形を考えて、バランスの良い長さに伸び過ぎた枝は切り詰めます。同じところから車状に出た枝は曲をつけようと思う時、凸部の枝を活かし、逆方向の枝は間引きます。しかし枝、根を切るという行為は全体的には樹勢を弱めることに繋がりますので、小さいうちは余りいじらず、大きい目で見て特にバランスに欠ける部分のみ切り詰める程度で良いと思います。
 ※基本的に容器が大きければそれに応じて根が張り、比例して上部の枝葉も茂り、成長が助長されます。
 従って植える容器は鉢も可能ですが、成長を促すうえでは発泡スチロールの箱が便利です。樹勢に応じた樹の間隔にしまが最低5cm、出来れば10cm位間隔があった方が整然とした木の作りが出来ます。種類にもよりますが、一度結実した枝の穂であれば、3~4年で開花するものと思います。初めてのものではそれから1~2年開花は遅れます。
 ※箱上は成長の促進には好都合ですが、樹形を整える面から云うと樹が密植状況の為
伸ばしたい方向に枝先を整えるのが困難です。したがって樹勢のついたものから順次掘り取り6~7号の平鉢で管理されると良いでしょう。(時期は立秋を過ぎた頃~秋、春先の2月後半~3月中旬が当地では適期です。)鉢揚げした樹は下にごろ土をひき、私は赤玉(中粒)6:桐生砂(小粒)4の割合の用土を使って植えつけています。こうして鉢植えした樹はできれば2年に一度、少なくも3年に一度植替えが必要です。そうしないと鉢の中で根が絡み合い、次回植替えするのに大変なおもいを致します。

 

【3.取り木による方法】
 充実した枝を選び環状剥皮により皮を1センチ程度剥ぎ、湿らせたミズゴケを蒔いてビニールでしっかり乾かない様蒔いておくと半年~1年程度で発根するので、それが確認されたらその取り木部分を切り取り、ビニールをはずしてミズゴケは落とさずそのままの状態で赤玉6~7:桐生砂4~3の用土に鉢揚げします。このポイントは徒長枝であれば発根が早いこと、環状剥皮の時には上下がつながらない様翌幹をこすることです。又、切り取った枝を鉢に上げる際、ミズゴケは根腐りの原因になると考え、除去しようとするとかえって裏目にでますので、鉢に植え活着が完全に確認された次回の植替え時にミズゴケの除去はされる方が良いでしょう。また既に開花した枝であれば鉢植えした翌年には開花が見られます。さし芽に比べれば開花・結実までの期間は相当短縮されますが、環状剥皮やミズゴケで巻く等の作業が手間になります。その後の管理は2~3年後との植替えなど他の方法と同様です。

 

【4.根伏せによる方法】
 結実に至る年数は根の太さにより異なりますが普通3~4年かかります。選抜した樹の根伏せによる方法・・・できれば割りはしの太さより太めの根が良いです。細い根の場合は、それ自体に体力がありませんので、なるべく長めに植え込みします。根伏せの場合、形状にこだわらなければ発砲スチロールの箱(厚さ15センチ前後のもの)に縦横5センチ前後の底穴をあけ、アミをあて、ごろ土をひき、その上に赤玉の中粒と桐生砂の小粒を6:4くらいで混合した用土を使い根の元の方を上にして土で覆います。その後棒で良く土をつき、土と根がなじむようにし、その後たっぷり水を与えます。この根伏せの時期は、寒さが峠を越した2月中旬~3月一杯が最適です。それ以外には立秋を過ぎてから寒さを迎える前の10月一杯が良いでしょう。
 ※新梢の伸びている間は、枯死する危険が高いので、止めた方無難です。
 春に根伏せしたものは5月頃、気温の上昇に伴って土から芽が伸びて来ます。樹形を考える場合であっても、一端春芽が充実した頃を見計らって誘引することをお勧めします。余り急いで誘引すると、元からポロリとはがれる危険があります。また誘引する際、少しねじりながらするとその危険が少ないと思います。
 ※鉢揚げは2年経過してからした方が樹勢がつき、あとの管理が楽だと思います。
 ※根の太さにより、芽の出る本数が違いますが、作ろうとする樹形によっても異なりますが、1本に絞る方が樹形が整いやすいと思われます。

 

【お勧めする品種】
実の形、色彩、品性、作り易さほか総合的に優れている・・・雅、硯雅、典雅
上記に準ずる品種(やや実の形が特徴あり)     ・・・京雅
上記に準ずる品種(実の形、作り易さ勝れるが、トゲが強い)・・・都紅(別名東紅)
盆栽樹として木肌が最も荒れ、水水の筋が表面に表れる・・・浜北小町(別名天珠皇)
四季咲きの品種で、年末から年明けにかけても大小の実が楽しめる・・京都四季成
上記は単為結果します。
ガクの形が特に大きく形も優れ、他に例をみない、枝性は悪いがそれを差し引いても面白い見る価値がある。但し受粉樹として雄木が必要・・・獅子の舞
その他 色、形等様々な品種あり

以上については一長一短あるが、結論からいえば根伏せが一番良いと思われる。

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